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オリーブオイルの安い代わり:加熱と生食で分ける

オリーブオイルの安い代わりは、加熱調理なら菜種油やサラダ油で十分です。生食では代わりにならない理由と、十種類の油の価格比・発煙点・用途を比べます。

オリーブオイルの安い代わり:加熱と生食で分ける

オリーブオイルの代わりに使える安い油は、加熱調理に限れば、サラダ油(調合油)、菜種油、大豆油といった精製された無味の油です。同じ量でエキストラバージンオリーブオイルの二割から三割程度の価格で、フライパンの熱にはむしろ強く、炒め物や揚げ物であれば違いはほとんど気づかれません。

ただし節約になるのは加熱調理だけです。ドレッシング、仕上げのひとまわし、パンにつける油といった生食では、安い油はオリーブオイルの代わりになりません。答えは「一本を買い替える」ではなく、「二本に分ける」ことになります。

加熱用と生食用に分けて考える

オリーブオイルの使われ方は、大きく二つに分かれます。

加熱用は、玉ねぎを炒める、野菜を焼く、肉を焼きつける、天板に塗る、揚げるといった場面です。油は、エキストラバージンの香り成分が残る温度をはるかに超えて熱せられます。にんにくや塩、焼き色の風味がすでにある料理の中では、精製油との差を言い当てるのは難しくなります。高い油の香りに払ったお金は、鍋の中で蒸発していると考えたほうが正確です。

生食用は、ドレッシング、豆や汁物の仕上げ、トマトや焼き魚にかける一筋、パンです。ここでは油そのものが味であり、安い油では置き換えになりません。安い油が悪い脂だという意味ではなく、ほとんど味がしないように精製されている、というだけのことです。

多くの家庭では、一本の大半が加熱用に消えていきます。加熱用だけを安い油に替えれば、節約できる分のほとんどを取りに行けて、実際に味わっている部分はそのまま残せます。値段ではなく味の近さで選びたい場合は、オリーブオイルに本当に近い油を脂肪酸の組成と香りの順に並べています。

十種類の油をエキストラバージンと比べる

価格は数週間で古くなり、国によっても大きく違うため、下の表では金額ではなく比率を使います。エキストラバージンオリーブオイルを1.00として、同じ容量あたりの目安です。大さじ一杯はおよそ15mlなので、大さじの列は同じ比較を実際に調理する単位に置き換えたものです。

代わりの油100mlあたりの価格(エキストラバージン=1.00)大さじ一杯発煙点オリーブの風味に近いか向いている用途
サラダ油(調合油)0.15–0.30最も安い約230℃近くない。無味に精製炒め物、揚げ物、日常のほぼすべて
菜種油(キャノーラ油)0.20–0.35とても安い約205℃近くない炒め物、オーブン、菓子
大豆油0.20–0.35とても安い約230℃近くない量を使う揚げ物
とうもろこし油0.30–0.50安い約230℃近くない。かすかに甘い揚げ物
ひまわり油0.30–0.50安い約225℃近くない炒め物、浅い揚げ物
こめ油0.35–0.55中くらい約230℃近くない。軽い香ばしさ天ぷら、高温調理
ピュアオリーブオイル(精製)0.60–0.85やや高い約240℃オリーブらしいが平板炒め物、オーブン、自家製マヨネーズ
太白ごま油0.70–1.10高い約210℃近くない香りを出したくない和食
ラード0.30–0.50安い約190℃近くない。独自の風味中華の炒め、揚げ物、粉物
調理で出た脂ほぼゼロ事実上無料約190℃まったく別物焼き汁、卵、残り物の炒め直し

二行だけ補足します。「調理で出た脂」は、鶏を焼いたあとの天板に残る脂、ベーコンから出た脂、よくこして保存した揚げ油のことです。すでに支払い済みなので、価格ではどの瓶にも負けません。太白ごま油は安さのためではなく、ごまの香りを立てたくないときの選択肢として入れてあります。

精製オリーブオイルという中間の選択肢

料理をオリーブオイルの風味にしたくて買っているのであれば、油の種類を変えるより、同じオリーブオイルの等級を一段下げるほうが違和感が小さくて済みます。ピュアオリーブオイルは、精製した油に少量のバージンオイルを合わせたもので、欠点も香りの大半も抜けています。「ライト」や「マイルド」は色と味の表現であり、カロリーが低いという意味ではありません。この記事の油は、どれも一杯あたりのエネルギーはほぼ同じです。軽いオリーブオイルの使い分けでは、香りではなく中立さを求められる場面での選び方を扱っています。

等級を下げて失うのは、良いエキストラバージンにある喉の奥のひりつき、つまりポリフェノールです。もっとも、その一部は加熱でどのみち失われます。逆向きの落とし穴のほうが厄介で、不自然に安い「エキストラバージン」表示の瓶には注意が必要です。等級表示の偽装は産地国の監督機関が繰り返し報告している問題で、正直に表示された下位等級を買うほうが確実です。

節約にならない場面

差額を消してしまう要因が三つあります。

容量です。安い油が安いのは1リットル以上の容器で、小瓶の菜種油は、大容量の缶入りオリーブオイルより1mlあたり高くつくことがあります。

スプレーです。同じ量の油を買う方法としては最も割高な部類で、量の調整には向きますが節約には向きません。

揚げ物です。鍋に入れる量が単価をはるかに上回るため、節約はこして繰り返し使うことから生まれます。細い鍋で揚げれば、平たいフライパンよりずっと少ない油で済みます。複数の油をまとめて入れ替える場合は、食用油の置き換え早見表に分量比と耐熱の目安をまとめてあります。

脂肪酸の違いと、決着していないこと

価格で選ぶと脂肪酸の内訳は変わります。オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸が中心で、未精製ならポリフェノールを含みます。菜種油も一価不飽和が中心で、植物性のオメガ3を少し含むため、紙の上では最も近い安価な代替です。ひまわり油、とうもろこし油、大豆油はリノール酸、つまりオメガ6がかなり多くなります。ラードは飽和脂肪酸が中心です。

これが健康にとって何を意味するかは、どちらの立場が言うほど決着していません。オリーブオイルは調理油の中で長期の観察研究の蓄積が最も厚い一方、食事全体の型と切り離しにくいという弱点があります。リノール酸を増やした介入試験では、理屈から予想される炎症指標の上昇はおおむね確認されていません。ポリフェノールの話は化学としては確かでも、通常の摂取量でのヒトの証拠は限られています。

実務的に言えば、フライパンの油を替えるのは小さな変更です。週の脂質の大半を置き換えるのでなければ影響は限定的で、生食用にエキストラバージンを残しておけば、ポリフェノールを含む部分はそのまま残ります。

切り替えを記録するときの注意

体調との関係を探すために食事を記録している場合、油はどの方法で記録しても最も正直に書きにくい項目です。NutriAIは写真から食べたものを推定し、その食事に炎症の傾向の推定評価をつけますが、調理油はまさに写真からの推定が最も弱い部分です。吸われて見えなくなり、刷毛で塗った天板と揚げ物とでは量が桁違いに変わるためです。油を替えても評価がほとんど動かないことは十分にあり得ます。

これは記録をやめる理由ではなく、先に言っておくべき限界です。切り替えた日を自分で書き添え、ほかの条件を数週間そろえて、あとから記録したものが動くかどうかを見てください。そこで浮かぶのは自分の記録の中の可能性のある傾向であり、確からしさも併記されます。相関であって診断ではありません。NutriAIは医療機器ではなく、油を替えるのはまず家計の判断です。

この記事の根拠

  • 食用油の脂肪酸組成を100グラムあたりで公表している公的および学術の食品成分データベース
  • 精製、等級区分、発煙点の測定に関する油脂化学の専門文献
  • オリーブオイルの真正性、表示、等級偽装についての産地国の監督機関および業界団体の報告
  • 食事中のリノール酸を変化させたときの炎症指標を測定した介入試験
  • 食事全体の型の中でのオリーブオイル摂取を追った長期の観察研究

よくある質問

オリーブオイルの代わりで一番安いのはどれですか。
サラダ油(調合油)です。同じ量でエキストラバージンオリーブオイルの二割前後で買えることが多く、無味に精製されているため炒め物にも揚げ物にも使えます。ただし生食では代わりになりません。
サラダ油はオリーブオイルと同じ量で置き換えられますか。
加熱調理なら同量で置き換えられ、分量の調整は要りません。発煙点はサラダ油のほうが高いので、フライパンで困る場面もありません。ドレッシングや仕上げのひとまわしでは、油そのものが味なので置き換えにはなりません。
ピュアオリーブオイルとエキストラバージンの違いは何ですか。
ピュアオリーブオイルは精製した油に少量のバージンオイルを合わせたもので、欠点も香りの大半も抜けています。脂肪酸の組成はほぼ同じで、失われるのは主にポリフェノールです。加熱するとそのポリフェノールは一部が失われるため、炒め物や揚げ物ではこちらで十分な場合が多くなります。
極端に安いエキストラバージンは大丈夫ですか。
疑ったほうが無難です。等級表示の偽装は産地国の監督機関が繰り返し報告している問題で、相場から大きく外れた瓶は精製油の混合であることが少なくありません。下位等級だと正直に書かれた商品を買うほうが確実です。
揚げ物の油代を安くするにはどうすればよいですか。
保管できる範囲でいちばん大きい容量の大豆油やとうもろこし油を選び、こして繰り返し使うことです。揚げ物では単価より鍋に入れる量のほうが効きます。細い鍋を使うと必要な油が減り、油が濃く色づいたり泡や匂いが出たら替えどきです。

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