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食事炎症指数(DII)が採点する食品の一覧

食事炎症指数(DII)が採点するのは食品ではなく、45の栄養素や香辛料などのパラメータです。向きごとの一覧と、食塩などが載っていない理由を整理します。

食事炎症指数(DII)が採点する食品の一覧

食事炎症指数(DII)に、食品そのものの一覧はありません。採点の対象は45の食事パラメータで、その多くは栄養素、ほかに香辛料と香草、茶、フラボノイドの分類がわずかに含まれます。各パラメータには、血中の炎症マーカーとの関連を報告した研究にもとづいて、炎症を抑える向きか高める向きかが割り当てられています。下の表にある日常の食品は、そのパラメータを運ぶ食品です。探している食品が見あたらないとすれば、その食品に対応するパラメータが存在しないためです。

向きはどのように決まったのか

DIIは、食事の成分と6つの炎症マーカー(C反応性たんぱく、インターロイキン1β、同4、同6、同10、腫瘍壊死因子α)を結びつけた研究を集めて作られました。このうちインターロイキン4と10はそれ自体が炎症を抑えるため、これらを高める成分は抑える向きに数えられています。

採点では、各パラメータの摂取量を複数国の食事データから作った基準分布と比べ、パーセンタイルに直し、パラメータの値を掛けて合計します。出てくるのは食事全体を表す1つの数字で、0より小さければ抑える側、大きければ高める側です。

ここから2つのことが決まります。入力は1食ではなく、質問票や数日分の記録から得た習慣的な摂取であること。そして食品そのものが登場するのは作成者がパラメータを設けた場合に限られ、それは一部の香辛料と香草、茶だけだったことです。方法そのものは食事炎症指数とは何かで扱っています。

炎症を抑える向きのパラメータ

パラメータ向きそれを含む日常の食品食事全体の点数への働き測定上の注意
食物繊維抑える大麦、玄米、豆類、海藻、野菜点数を下げる。重みは大きい方成分表によって値が異なる
n-3系脂肪酸抑えるさば、いわし、さんま、くるみ、亜麻仁油下げる魚の種類と量が記録されているかに左右される
n-6系脂肪酸と多価不飽和脂肪酸抑える大豆油、ごま油、種実類下げる。一般の食品リストとは逆集めたマーカー研究に従った結果
一価不飽和脂肪酸抑えるオリーブ油、菜種油、アーモンド下げる。重みは小さい逆向きの脂質全体と切り分けにくい
マグネシウム、亜鉛、セレン抑えるかぼちゃの種、ほうれん草、大豆、かき下げるセレンは産地の土壌で大きく変わる
ビタミンA・C・E、βカロテン抑えるにんじん、かぼちゃ、小松菜、みかん、ピーマン下げる光や保存、加熱で失われる
ビタミンD抑える青魚、卵黄、干ししいたけ下げる食事は一部にすぎず、日照は記録に残らない
ビタミンB1・B2・B6、ナイアシン、葉酸抑える玄米、豆類、青菜、肉緩やかに下げる強化食品の有無で国ごとに差が出る
フラボノイド各分類(イソフラボンなど)抑える豆腐、納豆、みそ、茶、玉ねぎ、りんご下げる専用の成分表が要り、扱える研究は少ない
緑茶・紅茶抑えるいれた茶(種類は問わない)下げる濃さや浸出時間はまず記録されない
にんにく、玉ねぎ、しょうが、うこん、サフラン、こしょう、タイム、オレガノ、ローズマリー、オイゲノール抑える香辛料と香草そのもの下げる。うこんは重みが大きい何グラム食べたかを尋ねる調査票はまずない
カフェイン抑えるコーヒー、茶わずかに下げる採点されるのはカフェインであって飲み物ではない
アルコール抑えるビール、日本酒、蒸留酒抑える側に入り、驚く人が多い適量摂取のマーカー研究に由来する。扱うのは狭い範囲の研究であって健康全体ではなく、飲酒を勧める根拠にはならない

炎症を高める向きのパラメータ

パラメータ向きそれを含む日常の食品食事全体の点数への働き測定上の注意
総エネルギー高める量の多い食事すべて上げる1,000キロカロリー当たりに直す調整版もある
飽和脂肪酸高めるバター、脂身、チーズ上げる。脂質で最も重い申告のずれが特に大きい
トランス脂肪酸高める部分水素添加油脂(現在は少ない)上げる近年のデータではほとんど検出されない
脂質全体高める油の多い食事上げる逆向きに採点される個々の脂肪酸と食い違う
コレステロール高める卵、魚卵、内臓上げる食事中の量と血中の値は別の指標
炭水化物高めるご飯、パン、麺、いも、砂糖、清涼飲料上げる砂糖と精白していない穀物が同じに扱われる
たんぱく質高める肉、乳製品、卵、豆類わずかに上げる植物性も動物性と同じに数える
高める赤身肉、強化食品、豆類わずかに上げるヘム鉄と非ヘム鉄を区別しない
ビタミンB12高める肉、魚、乳製品、強化食品上げるB群でこちら側にあるのはこれだけ

探しても載っていない食品

食品載っていない理由最も近いパラメータ
赤身肉肉のパラメータがなく、採点対象は栄養素飽和脂肪酸、コレステロール、鉄、B12
ハム・ソーセージ同じ理由。塩蔵や添加物も扱われない飽和脂肪酸、総エネルギー
添加された砂糖添加糖という項目自体がない炭水化物、総エネルギー
食塩45のパラメータに一切含まれない該当なし
超加工食品製造法による分類で、栄養素ではないその製品が実際に含む栄養素
小麦・グルテンどちらにもパラメータがない炭水化物、食物繊維
乳製品牛乳、チーズ、ヨーグルトの項目がない飽和脂肪酸、たんぱく質、B12
個別の植物油油ごとのパラメータは設けられていない多価不飽和脂肪酸とn-6系(いずれも抑える側)
野菜全般独立した項目があるのは玉ねぎとにんにくだけ食物繊維、ビタミンC、葉酸、カロテノイド

この不在は、日本の食卓では特に目立ちます。食品表示法にもとづく栄養成分表示には食塩相当量が必ず記載されますが、食塩はDIIのパラメータに含まれません。塩分の多い食事でも、指数の上では良い点になりえます。指数が食塩を軽く見ているのではなく、扱う範囲がそこまでだということです。食品そのものを分類ごとに見たい場合は、炎症を高める食品の一覧があります。

食事全体の点数は、個々の食品への判定ではありません

公開されている指数が採点するのはパラメータであり、食品ではありません。ブルーベリーやピザにDIIの数値を与えている表は、栄養素データから第三者が計算したもので、参考値として読むのが妥当です。1食だけを採点することもできません。点数は一定期間の習慣的な摂取を表すためです。

そして何より、これは疫学の道具です。集団を食事の推定炎症度で並べ、集団全体としての関連を探すために作られました。ある人が炎症状態にあるかを判定する基準値はなく、点数は検査結果ではありません。同じ目的の採点方法どうしでも結論は食い違います。その比較は食品の炎症スコアが一致しない理由にまとめてあります。

量と組み合わせでも点数は動きます

総エネルギーそのものがパラメータで、しかも高める側にあります。全体の量を増やせば抑える側の栄養素も一緒に増えますが、同時にエネルギーの分だけ点数は上がります。そのため、摂取量を1,000キロカロリー当たりに直し、同じように調整した基準分布と比べる版が用意されています。問いが「どれだけ食べたか」から「何でできた食事か」に変わるためです。公表された研究ではどちらもDIIの点数と呼ばれますが、両者は同じ指標ではなく、比べる際には確かめる価値があります。

一つのパラメータが点数をどれだけ動かすかは、二つで決まります。文献レビューから得た重みと、基準分布の中でのパーセンタイルの位置です。食物繊維や飽和脂肪酸、うこんは、たんぱく質や鉄よりかなり重く扱われます。一方でパーセンタイルには上下の頭打ちがあるため、ほとんど摂っていないものを普通の量にするときに点数はよく動き、すでに足りているものをさらに増やしてもほとんど変わりません。つまり指数は、欠けている部分を埋めるほうを評価する作りになっています。数字の見た目には表れませんが、小さな変更が大きな変更を上回ることがあるのは、この構造によるものと考えられます。

精度が落ちるところ

45すべてのパラメータを使えた研究はほとんどありません。通常の質問票では、サフランやオイゲノール、フラボノイドの下位分類まで捉えられないからです。使ったパラメータ数が違う点数どうしは厳密には比較できません。摂取量は複数国の基準分布に対して採点されるため、同じ朝食でも基準が変われば順位が変わります。各パラメータの向きも、研究を集めた時点の知見を映したものです。日常の分類と研究の分類が分かれる場所は、炎症を高める食品と抑える食品の対照表で確かめられます。

順位ではなく方向として読む

実用的に読めば、パラメータの並びが指す先は、ふだんの食事の助言とほぼ同じです。食物繊維と野菜を増やし、香辛料と香草を使い、魚と種実類の脂質を増やし、飽和脂肪酸と量を控える。ただし、あなた自身の体についてはほとんど語りません。その差を埋められるのは時間をかけた観察だけで、何を食べ、そのあとどう感じたかを、繰り返しが偶然と区別できる程度に一定して記録することです。NutriAIがしているのはその一点です。食事を撮影すると食品と量を推定し、同じ枠組みで推定炎症度を等級として示し、そのあとに症状を記録します。推定には実際の誤差があり、油やたれ、混ぜた料理の砂糖は特に苦手です。等級は臨床的な測定ではなく、浮かび上がった傾向も記録の中の相関であって診断ではありません。

記録より受診を優先する場合

点数や食事記録が向くのは、差し迫った様子のない日常の不調です。意図しない体重減少、血便、続く発熱、赤みと熱をともなう関節の腫れ、夜間に目が覚める強い痛み、着実に悪化していく症状は、医療機関で確かめてください。炎症性の病気と診断されている場合や、そのための薬を使っている場合は、食事を変える前に主治医や管理栄養士に相談してください。

この記事の根拠

  • 食事炎症指数の作成方法に関する公表資料。食事成分と炎症マーカーの関連を整理した文献レビューと、パラメータの採点手順を含む
  • 食事成分とC反応性たんぱくやインターロイキン6などの血中炎症マーカーとの関連についての査読済み研究
  • コホートデータに指数を適用した疫学研究、および各調査票から何個のパラメータを得られたかについての記述
  • 本文で挙げた食品の栄養素含有量に関する食品成分表
  • 自己記録ではなく受診が必要な症状についての一般的な臨床上の指針

よくある質問

食事炎症指数の公式な食品リストはありますか。
ありません。公式にあるのは45の食事パラメータの一覧で、内容は栄養素、少数の香草と香辛料、茶、フラボノイドの下位分類です。食品はそのパラメータを含む形でしか関わりません。出回っている食品リストは、そのパラメータ一覧を買い物の言葉に置き換えたものであり、公開された指数の一部ではありません。
特定の食品のDII値はいくつですか。
公開されている指数は個々の食品に値を与えていません。食品ごとの数値として出回っているものは、栄養素データから第三者が計算した結果で、計算する人によって答えが変わります。参考値として扱うのが妥当です。
なぜ植物油が抑える側に入るのですか。
指数のもとになったマーカー研究の整理で、n-6系脂肪酸と多価不飽和脂肪酸のパラメータが抑える側の値を得たためです。一般の食品リストとは実際に食い違う点なので、DIIの点数をどちらかの立場の裏づけとして使う前に知っておく価値があります。
食塩は指数に含まれますか。
含まれません。食塩相当量は食品表示に必ず書かれますが、DIIの45のパラメータには入っていません。塩分の多い食事でも良い点になりえるため、点数を食事の健康度そのものとして読むことはできません。
自分の点数を計算できますか。
正確に出すには栄養素の摂取量の全体像と、指数が比較に使う基準分布が必要で、通常は研究の中で計算されます。簡易的な計算ツールもありますが、検証された指数そのものではなく、診断にも使えません。

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