オリーブオイルに近い油はどれか
オリーブオイルに近い油は目的で変わります。脂肪酸なら高オレイン酸ひまわり油、加熱なら精製アボカドオイル、風味に近い油はありません。九種類を表で比較します。
オリーブオイルに一番近い油は、どの「近さ」を求めるかで変わります。脂肪酸の組成なら高オレイン酸ひまわり油、フライパンでの扱いやすさなら精製アボカドオイル、そして風味については、近いと言える油は存在しません。あの青くて少し苦い香りと、のどの奥に残る辛みは、オリーブの果実そのものから来るもので、ほかの食用油には現れないからです。
例外は精製オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)だけです。これは風味の大半を取り除いたオリーブオイルなので、当然ながら組成は近いままです。それ以外はすべて交換条件になります。脂肪酸をそろえれば味を失い、加熱の使い勝手をそろえれば生食をあきらめることになります。
「似ている」は三つの問いに分かれます
代わりを選ぶ前に、その料理でオリーブオイルが何をしていたのかを考えてみてください。
味そのものだった場合、つまりドレッシング、豆や汁物の仕上げ、パン、冷ややっこや焼き野菜にかける一筋であれば、問われているのは香り成分とポリフェノールです。加熱の媒体だった場合、つまりフライパンの薄い膜、天板に塗る油、揚げ油であれば、問われているのは熱に対する挙動です。脂質の質を考えて替えるのであれば、問われているのは脂肪酸の組成です。
この三つは、同じ八種類ほどの油をまったく違う順番に並べます。世の中の「オリーブオイルの代用品」一覧が役に立ちにくいのは、そのうちの一つに答えて、三つすべてに答えたかのように示すためです。栄養成分の上ではオリーブオイルとほぼ同じで、味はまったくしない油というのは普通に存在します。それは欠点ではなく、精製という工程の目的そのものです。
なお、値段のほうが気になってこのページに来た場合は、より安い油を価格順に比べたページがその問いに直接答えています。
脂肪酸が近いのは高オレイン酸ひまわり油
エクストラバージンオリーブオイルは、脂肪のおよそ七割から八割が一価不飽和脂肪酸で、そのほとんどがオレイン酸です。残りは多価不飽和のリノール酸が少しと、控えめな飽和脂肪酸です。栄養の文脈で「オリーブオイルに似た油」と書かれているとき、指しているのはたいていこの組成だけです。
この組成に並び、さらに上回る油が二つあります。高オレイン酸ひまわり油は、オレイン酸が多くなるよう選抜された品種から搾った油で、オリーブオイルより高い割合になることも珍しくありません。椿油や茶油(カメリア油)も同じ帯に入り、日本や中国では古くから使われてきました。圧搾の菜種油は一段下がりますが、それでも一価不飽和脂肪酸が中心で、オリーブオイルにはない植物性のオメガ3を少量含みます。
ただし、オレイン酸をそろえることとオリーブオイルを再現することは別です。未精製のオリーブオイルには果実由来のポリフェノール、スクワレン、ビタミンEも含まれていて、精製の工程でその大半は失われます。高オレイン酸ひまわり油は「オリーブオイルの脂質だけを取り出したもの」と説明するのが正確です。この失われた部分が家庭で使う量でどれほど意味を持つのかは、はっきりしていません。ポリフェノール自体は実在する成分ですが、通常の食事量での人間の証拠は控えめで、加熱すれば多くは残らないとされています。
表示についても一つ。日本の栄養成分表示で義務なのは熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量までで、飽和脂肪酸は推奨、一価不飽和脂肪酸は任意です。つまりここで問題にしている数字は、多くの場合ボトルに書かれていません。
フライパンでの挙動が近いのは精製アボカドオイル
オリーブオイルが味ではなく仕事をしていたのなら、精製アボカドオイルが最も近い代わりになります。一価不飽和脂肪酸が中心で、より高い温度に耐え、にんにくや塩、焼き色の風味の下に消えてくれる程度には無味です。焼く、オーブンで加熱する、浅く揚げる、いずれも問題ありません。弱点は性能ではなく価格です。
ここで必ず引き合いに出されるのが発煙点ですが、これは重視されすぎています。発煙点は油が目に見えて煙を出す温度であって、劣化し始める温度ではありません。精製の度合いや、その油を何回使ったかによっても動きます。エクストラバージンオリーブオイルは発煙点が中程度でありながら、揚げ物の試験では見た目の数字より良い結果になる傾向があります。一価不飽和脂肪酸を土台にしていることと、残っている抗酸化成分が酸化を遅らせるためだと考えられています。逆に、発煙点の高い強く精製された油が、数字ほど安定しない場合もあります。詳しい比較はオリーブオイルとアボカドオイルの使い分けにまとめています。
日常的な加熱であれば、もっと安く挙動の近い油があります。米油は高温に強く、揚げ物では定番です。高オレイン酸ひまわり油は安定していて味がありません。精製オリーブオイルはわずかにオリーブの気配を残したまま揚げられます。どれも仕上がった料理の中では気づかれませんが、それがこの用途の目的です。
風味だけは代わりがありません
よいエクストラバージンの青々とした香りは、果実を砕いたときに生まれる揮発性の成分によるものです。苦みとのどの辛みは、オリーブに特有のポリフェノールによるものです。果実をまるごと搾って作る食用油はほかにないため、比較表の「のどの辛み」の列は、正直に書けばすべて「なし」になります。
方向の違う部分的な似方であれば見つかります。圧搾の菜種油は青い草のような香りとかすかな香ばしさがあり、未精製のアボカドオイルはバターのようで苦みがありません。精製オリーブオイルは角の取れたオリーブの気配を残します。太白ごま油はくせがなく生食に使えますが、これも別の風味です。ヘーゼルナッツ油やくるみ油は生でこそ良いものの、香るのはナッツであってオリーブではありません。
生食での結論は、身もふたもありませんが実用的です。模造品を多く使うより、良いオリーブオイルを少なく使うほうが、たいていうまくいきます。それが難しいときは、酸味や塩、マスタードで組み立てを変えるか、ナッツ系の油を意図して選ぶほうが素直です。この場合については生食でのエクストラバージンの代わりで詳しく扱っています。
近さの一覧表
数値は食品成分データにもとづく目安の幅で、固定値ではありません。品種、産地、精製の度合いで動きます。
| 油 | 一価不飽和脂肪酸 | 風味の強さ | のどの辛み | 生食 | 加熱 |
|---|---|---|---|---|---|
| エクストラバージンオリーブオイル(基準) | 約70–80% | 中〜強、青い香り | あり、特徴的 | 非常に良い | 良い |
| 高オレイン酸ひまわり油 | 約80%以上 | ごく弱い | なし | 向かない | 非常に良い |
| 椿油・茶油 | 約75–85% | 弱い、ほのかに甘い | なし | まずまず | 非常に良い |
| 精製オリーブオイル | 約70–80% | 弱いオリーブ感 | なし | 使えるが平板 | 非常に良い |
| アボカドオイル(精製) | 約65–70% | ごく弱い | なし | 向かない | 非常に良い |
| アボカドオイル(未精製) | 約65–70% | 中、バターのよう | なし | 良い。ただし別の味 | 良い |
| 菜種油(圧搾) | 約60% | 中、青い草の香り | なし | 良い。ただし別の味 | 良い |
| 米油 | 約40% | 弱い、軽い香ばしさ | なし | まずまず | 非常に良い |
| 一般的なひまわり油・大豆油 | 約20–30% | なし | なし | 向かない | 非常に良い |
表は行ではなく列で読んでください。脂肪酸の列と風味の列は、ほぼ正反対を向いています。組成が近い油ほど味がなく、味のある油はオリーブとは別の味がします。
よく勧められるものの、似ていない油
似ているかどうかとは無関係な理由で候補に挙がる油もあります。一般的なひまわり油、大豆油、とうもろこし油、ぶどう種子油はリノール酸が中心で、脂肪酸の組成という点ではむしろ最も遠い部類です。調理油として悪いという意味ではありません。ココナッツオイルは飽和脂肪酸が中心で常温では固まるため、代わりというより別の材料です。焙煎したごま油はオリーブオイルと同じ量を使えば調味料になってしまいます。バターやギーは挙動が違い、バターは水分を含むのでフライパンの中での動きも変わります。
いずれも、価格や入手しやすさ、耐熱性という別の問いへの答えです。「似ている」と紹介されたからではなく、目的を決めて選ぶほうが失敗しません。
油の切り替えを記録するときの注意
症状との関係を探すために食事を記録している場合、油はどの方法を使っても最も正直に記録しにくい要素です。NutriAIは写真から食品を推定し、その食事に炎症の可能性を示す推定グレードを付けますが、油はまさに写真からの推定が最も弱い部分です。吸収されて見えなくなり、量も刷毛で塗った天板と揚げ物ではまったく違います。油を替えてもグレードはほとんど動かないと考えてください。カメラにはその変化がほぼ写らないからです。
これは隠さずに書いておくべきことだと考えています。切り替えたことは自分でメモし、ほかの条件を数週間そろえたうえで、その後に記録したものが動くかどうかを見てください。そこから見えるのは、自分の記録の中にある相関の可能性であり、確信度とともに示されるものです。診断ではありませんし、油一般についての主張でもありません。NutriAIは医療機器ではなく、これらの油を選ぶことは、多くの人にとってまず料理上の判断です。
この記事の根拠
- 各国政府や研究機関の食品成分データベースに掲載された、食用油100gあたりの脂肪酸組成
- 精製、酸化安定性、発煙点の測定方法に関する油脂化学の文献
- オリーブオイルの香気成分とポリフェノール、苦みと辛みの由来に関する官能評価と分析研究
- エクストラバージン、精製オリーブオイル、ポマースオイルを区分する国際的な取引規格
- 食事中のリノール酸を変化させたときの炎症指標を測定した介入試験
- 食事パターン全体の中でオリーブオイル摂取を追った長期の観察研究
よくある質問
- オリーブオイルに一番近い油は何ですか。
- 一つには決まりません。脂肪酸の組成なら高オレイン酸ひまわり油が最も近く、オリーブオイルより一価不飽和脂肪酸が多いこともあります。フライパンでの挙動なら精製アボカドオイルです。風味については近い油がなく、精製オリーブオイルが総合的に近いのは、風味を抜いたオリーブオイルそのものだからです。
- 米油はオリーブオイルの代わりになりますか。
- 加熱調理であれば同じ量でそのまま使えます。高温に強く、揚げ物では扱いやすい油です。ただし一価不飽和脂肪酸の割合はオリーブオイルより低く、風味もほとんどないため、ドレッシングや仕上げの一筋の代わりにはなりません。
- オリーブオイルの味に近い油はありますか。
- 厳密にはありません。青い香りとのどの辛みはオリーブの果実に特有の成分によるものです。部分的に似た油はそれぞれ別の方向で、圧搾の菜種油は草のような香り、未精製のアボカドオイルはバターのような風味、精製オリーブオイルは苦みのない弱いオリーブ感になります。
- 高オレイン酸ひまわり油はオリーブオイルと同じくらい良いのですか。
- 脂肪酸の組成は非常に近く、一価不飽和脂肪酸はむしろ多い場合もありますが、果実由来のポリフェノールやスクワレン、ビタミンEは含まれません。この差が家庭で使う量でどれほど意味を持つかははっきりしておらず、通常の食事量での人間の証拠は控えめです。
- 良いオリーブオイルがのどに辛いのはなぜですか。
- 新しく精製していない油に多く含まれるポリフェノールによるものとされています。欠点ではなく、搾りたてに近い油の目安と考えられています。ほかの食用油では再現されない特徴でもあります。