Cooking Oils·16 分で読めます

種子油の一覧表:18種類のオメガ6含有量

種子油18種類のオメガ6(リノール酸)含有量を100グラムあたりで一覧にしました。飽和脂肪酸や発煙点、実際の摂取量まで判定を付けずに並べています。

種子油の一覧表:18種類のオメガ6含有量

18種類の油のオメガ6含有量、多い順

種子油といっても中身は大きく異なります。紅花油やぶどう種子油は100グラムあたり70〜75グラムがリノール酸ですが、なたね油は約19グラム、ハイオレイック型のひまわり油は約9グラムです。下の表は、リノール酸(主なオメガ6)、オレイン酸、飽和脂肪酸、α-リノレン酸(植物性のオメガ3)を油100グラムあたりのグラム数で示し、おおよその発煙点と、その油がふだんどのくらいの量で口に入るかを添えたものです。

リノール酸(オメガ6)オレイン酸飽和脂肪酸α-リノレン酸発煙点ふだんの使われ方
紅花油(ハイリノール型)75 g13 g6 g0 g約230℃ドレッシングなど、量は少なめ
ぶどう種子油70 g16 g10 g0.1 g約215℃ドレッシング、さっと炒める用。量は少なめ
ひまわり油(ハイリノール型)66 g20 g10 g0 g約225℃揚げ物、菓子。量が多くなりやすい
麻の実油56 g11 g10 g17 g約165℃加熱せず、かけて使う。量は少ない
とうもろこし油54 g28 g13 g1 g約230℃揚げ物、加工油脂。量が多くなりやすい
くるみ油(木の実)53 g23 g9 g10 g約160℃仕上げにかける程度。量は少ない
綿実油52 g18 g26 g0.2 g約215℃天ぷら、業務用の揚げ油。表に出にくい
大豆油51 g23 g15 g7 g約230℃調合サラダ油の主原料のひとつ。量が多い
かぼちゃ種子油50 g30 g18 g0.5 g約160℃仕上げにかける程度。量は少ない
ごま油(精製)41 g40 g14 g0.3 g約210℃炒め物、香りづけ。少量から中程度
こめ油34 g39 g20 g1.6 g約230℃天ぷら、揚げ物。中程度
落花生油(豆)32 g46 g17 g0 g約230℃揚げ物。中程度
なたね油(キャノーラ)19 g63 g7 g9 g約205℃家庭の常用油。量が多い
あまに油14 g19 g9 g53 g約105℃加熱せずかけて使う。量は少ない
アボカド油(果肉)13 g68 g12 g1 g約250℃高温調理。中程度
オリーブ油(果肉・エクストラバージン)10 g71 g14 g0.8 g約190℃用途が広く、主な油になりやすい
ひまわり油(ハイオレイック型)9 g82 g8 g0 g約225℃業務用の揚げ油、菓子。量が多くなりやすい
ココナッツ油(果実の種子)2 g6 g87 g0 g約175℃焼き菓子、炒め物。少量から中程度

このうち5つは比較のために入れたもので、種子油ではありません。くるみは木の実、落花生は豆、オリーブとアボカドは果肉から搾ったもので、ココナッツ油は果実の中の種子が原料です。この線引きは一般に思われているほど明確ではなく、Which Oils Are Not Seed Oils? A Clear List で詳しく整理しています。

4つの列が示していること

数値はいずれも油100グラムあたりのグラム数です。油はほぼ脂質だけでできているため、そのまま割合としても読めます。4つを足しても100にならないのは、これ以外に少量の脂肪酸が含まれているためで、全体像は変わりません。

リノール酸は、議論の的になっているオメガ6です。体内で作れない必須脂肪酸であり、炎症に関わる複数の伝達物質の材料となるアラキドン酸のもとになります。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、オリーブ油、アボカド油、なたね油、そしてハイオレイック型の品種で中心を占めます。飽和脂肪酸の列は、パルミチン酸やステアリン酸などをまとめたものです。

α-リノレン酸は植物性のオメガ3で、青魚のEPAやDHAの代わりにはなりません。体内で変換されるのは限られた割合で、個人差もあります。あまに油がこの列で目立つのはそのためですが、さばやいわしと同じ役割を果たすとは言えません。2つのオメガの比率を知りたい方も多いと思いますが、この指標自体が評価の分かれるもので、Which Cooking Oils Cause Inflammation? The Evidence で扱っています。

分類の内側の幅は、分類そのものより大きい

表を上から下まで読むと、「種子油」という言葉が中身を説明していないことが分かります。75グラムの紅花油も、9グラムのハイオレイックひまわり油も、どちらも種子油です。なたね油は一価不飽和脂肪酸が中心の種子油で、魚以外の食品としてはオメガ3が多いほうに入ります。綿実油は飽和脂肪酸が比較的多い種子油です。

混乱のかなりの部分は、2種類の種子で説明できます。ひまわりと紅花には、同じ植物の別品種から採れるハイリノール型とハイオレイック型があり、容器の見た目はほとんど変わりません。日本で売られている紅花油は、現在はハイオレイック型が中心とされています。「ひまわり油」とだけ書かれた菓子の原材料表示では、どちらか判別できません。業務用の揚げ油では、繰り返しの加熱に強いハイオレイック型が増えています。

数値が高いことで分かること、分からないこと

リノール酸の値が高いことは、その油の組成を示しています。それだけでは、その油が体に悪いことの証明にはなりません。多くの一覧表が省いてしまうのは、この部分です。

仕組みの上での説明は成り立ちます。食事のリノール酸が増えれば、アラキドン酸とそこから作られるエイコサノイドの材料も増えるという筋道です。難しいのは、それを直接確かめたときです。リノール酸の摂取量を増やして血中の炎症マーカーを測る比較試験では、この筋道が予測するような一貫した上昇は、おおむね確認されていません。長期の食事データをまとめた解析でも、リノール酸の摂取が多いことと心血管系の悪い結果とのつながりは、おおむね示されていません。むしろ逆の方向を示すものもあります。食事の指針を作る機関も同じ証拠を検討したうえで、制限すべきだという結論は出していません。

一方で、まだ開いたままの問いもあります。この100年でこれらの油の消費量は大きく増えており、その変化を長期に観察した記録はありません。何度も繰り返し加熱した揚げ油には酸化生成物ができますが、これは脂肪酸そのものとは別の問題です。そして、あなたが本当に知りたい「毎日の体調」という結果に対しては、ほとんど検証されていません。「害があるとは確かめられていない」と「安全だと確かめられた」は同じではなく、どちらかを自信たっぷりに言い切る話は、証拠より先を歩いています。

発煙点は別の軸

発煙点とオメガ6の量は、独立した列です。精製すればほとんどの油で発煙点は上がるため、精製したひまわり油はエクストラバージンのオリーブ油より高温に耐えますが、オメガ6は数倍あります。一方で、多価不飽和脂肪酸は長時間の加熱、透明な容器での保管、コンロの上の温かい戸棚といった条件で酸化しやすく、これらはいずれも発煙点よりずっと低い温度で起きます。油ごとの比較は Cooking Oil Smoke Point Chart for 20 Oils にまとめています。

表に載らない列、実際に食べる量

ドレッシングに使うぶどう種子油15グラムから入るリノール酸は、およそ10グラムです。外食の揚げ物一皿からは、その何倍もが、確認しようのない形で入ります。つまり多くの人にとっては、最初の列より最後の列のほうが重要です。割合が最も高い油は少量しか使われないことが多く、中位の油のほうが大量に使われます。

自分で注ぐ分より、気づかないうちに入る分のほうが多いのがふつうです。マヨネーズ、市販のドレッシング、菓子パン、スナック菓子、外食のソース、揚げ物がその中心になります。日本の原材料表示では「植物油脂」というまとめ書きが認められていて、油の種類まで分からないことがあります。食品表示法にもとづく栄養成分表示はナトリウムではなく食塩相当量で示され、オメガ6については何も書かれていません。この数字を動かしたいなら、効くのは揚げ物と市販のソースであって、卵を焼くときの小さじ1杯ではありません。

手元のボトルが表と合わない理由

公表されている値は平均です。品種、産地の気候、収穫年、精製の度合いで動きますし、調合油の表示には幅があります。同じ種子でも、圧搾のものと精製したものでは100グラムあたり数グラム違うことがあります。各行は仕様書ではなく、幅のある代表値として扱ってください。2つの油の差が1桁の数字であれば、誤差の範囲と考えるのが妥当です。ぶどう種子油は、評判が数値より先に広まった典型例で、Is Grapeseed Oil Healthy? The Omega-6 Question で1行ずつ確認しています。

自分の記録で確かめる

これが自分にとって意味があるのかどうかは、正直なところ、一覧表では答えられません。NutriAIは食事の写真から中身を推定し、推定される炎症の起こしやすさを段階評価として示したうえで、後から症状を記録できるようにし、時間をかけて両者の間にある可能性のあるつながりを示します。ただし油は、この推定のなかで最も弱い部分です。写真からは料理が吸った油の量は見えず、ドレッシングやソースはとくに読み取りにくい対象です。評価は一貫した基準による推定であって測定ではなく、示されるのはあなた自身の記録の中の相関であって診断ではありません。医療機器でもありません。そのうえで数週間続ければ、一覧表には答えられない問いに近づけます。

この記事の根拠

  • 各国の食品成分データベースが公表している、食用油100グラムあたりの脂肪酸組成
  • 食事中のリノール酸を変化させ、血中の炎症マーカーを測定した比較試験
  • 多価不飽和脂肪酸の摂取と心血管系の結果を扱った観察研究のとりまとめ解析
  • 精製、発煙点の測定、繰り返し加熱時の酸化安定性に関する油脂化学の文献
  • 食品表示法にもとづく栄養成分表示および原材料表示の規定

よくある質問

オメガ6がいちばん多い種子油はどれですか。
ハイリノール型の紅花油で、100グラムあたり約75グラムがリノール酸です。次いでぶどう種子油が約70グラム、ハイリノール型のひまわり油が約66グラムです。同じ植物でもハイオレイック型はずっと低いため、種子の名前より表示されている品種の型のほうが重要になります。
オメガ6の割合が高い油は体に悪いのですか。
それは確かめられていません。リノール酸は必須脂肪酸で、摂取量を増やした比較試験では炎症マーカーの一貫した上昇はおおむね見られず、長期の食事データでも心血管系の悪い結果とのつながりはおおむね示されていません。繰り返し使った揚げ油や、消費量が歴史的に増えたことについては、まだ分かっていない点が残ります。
サラダ油は何の油ですか。
日本のサラダ油は多くがなたね油と大豆油を中心にした調合油で、配合は製品によって異なります。表のなたね油と大豆油の間のどこかに位置すると考えるのが目安になりますが、正確な組成は原材料表示だけでは分かりません。
オメガ6が最も少ない油はどれですか。
ココナッツ油で100グラムあたり約2グラムですが、大半が飽和脂肪酸です。用途の広い油ではハイオレイック型のひまわり油が約9グラム、エクストラバージンのオリーブ油が約10グラム、アボカド油が約13グラムです。
こめ油はオメガ6が少ないほうですか。
中位です。リノール酸は100グラムあたり約34グラムで、ひまわり油やとうもろこし油より低く、なたね油やオリーブ油より高くなります。発煙点が高く天ぷらに向くという理由で選ばれることも多い油です。

関連記事